上腕二頭筋長頭腱炎 —東広島市 鍼灸院フロンティア—

こんにちは!東広島市西条にある鍼灸院フロンティアです!今回は上腕二頭筋長頭腱炎について説明します!
上腕二頭筋長頭腱炎とは?
上腕二頭筋とは、いわゆる「力こぶ」をつくる筋肉で、腕を曲げたり、手のひらを上に向けて回すときに使われます。この筋肉は「短頭」と「長頭」の2本の腱を持っており、そのうち長頭腱(ちょうとうけん)は肩の関節を通って上腕骨に付着しています。
この長頭腱に炎症が起き、肩の前側〜上腕の前面にかけて痛みが出る状態を「上腕二頭筋長頭腱炎」と言います。
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◆ 痛みの特徴
✅ 肩の前面がズーンと痛む
✅ 腕を上げる・下げるときに痛む
✅ 肩を内側にひねる(内旋)と強く痛む
✅ じっとしていてもうずくような痛みがある
✅ 重い物を持った後や、スポーツ後に痛みが出る
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◆ なぜ長頭腱が炎症を起こすのか?
長頭腱は、肩の関節内を通る数少ない腱のひとつで、骨の溝(結節間溝)を滑りながら動いています。そのため非常にデリケートで、以下のような要因で炎症が起きやすいです。
🔹 主な原因
1. 使いすぎ(オーバーユース)
→ テニス・野球・水泳・筋トレなどで繰り返し肩を動かすと腱が擦れて炎症に。
2. 姿勢不良(猫背・巻き肩)
→ 肩関節の位置が前にズレ、長頭腱が圧迫されやすくなります。
3. 肩関節のインピンジメント症候群
→ 腱が肩の骨に挟まり、摩擦によって炎症が起きやすくなります。
4. 腱の変性や加齢
→ 年齢とともに腱が弱くなり、ちょっとした動作でも炎症が出やすくなります。
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◆ チェック方法(セルフ検査)
🔸Speedテスト(スピードテスト)
肘を伸ばして手のひらを上にし、腕を前に上げるように力を入れたとき、肩の前側に鋭い痛みが出る場合、陽性。
🔸Yergasonテスト(ヤーガソンテスト)
肘を曲げた状態で手を外に回そうとしたときに肩の前面に痛みが出れば陽性。
これらは、長頭腱にストレスがかかる動きであり、痛みが出ると炎症が疑われます。
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◆ 施術・治療アプローチ
保存療法(軽度〜中等度の場合)
1. 安静+アイシング(炎症期)
→ 特に初期は腱の過度な使用を避けることが大切。アイシングで炎症を抑える。
2. 温熱療法(慢性期)
→ 血流を促し、腱の修復を促進。
3. 鍼灸療法
→ 局所の炎症ポイントやトリガーポイントへ鍼刺激を行い、痛みの緩和と血流促進。
→ 腱そのものだけでなく、肩周囲(棘上筋・棘下筋・肩甲下筋)との連動を整えるのが重要。
4. 姿勢調整・肩甲骨のモビリティ改善
→ 巻き肩や猫背を改善することで、腱への圧迫が減る。
5. 手技療法・筋膜リリース
→ 上腕二頭筋や胸筋、肩甲骨周囲筋のリリースを行い、動きのバランスを整える。
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◆ リハビリ・自宅ケア
🔸ストレッチ
・壁に手をついて胸を開くストレッチ
・バンドで軽く肩の前側を牽引するストレッチ
🔸インナーマッスルの強化
・チューブを使った肩外旋・内旋運動
・肩甲骨の安定性を高める「肩甲下筋」や「前鋸筋」のトレーニングも有効
◆ まとめ
上腕二頭筋長頭腱炎は、「肩の前側が痛い」「腕を上げると痛い」など、日常生活やスポーツに支障が出やすい疾患です。
この痛みを「年のせいだから」と放っておくと、悪化してしまうことも。
適切な施術・リハビリ、そして日常の姿勢や使い方の見直しが、早期回復のカギになります!